小さくて住みやすい家をさがして
ほとんどの場合、リノベーションの第一歩は物件さがしからです。どんな物件が良いのかは家族によってそれぞれです。
「見え隠れの家」の施主さんは、娘さんのために、家を残したいとの思いで、物件を探し始めました。
物件を探すとき、まずは物件情報を集めていきます。予算や仕事場との距離感、必要な広さや駐車スペースなどから検討し、良さそうな物件があれば手に入る間取り図からラフプランを描いて提案します。
この提案がないうちに物件購入を決めることは、まず難しいと思います。また、この段階ではっきりとしたビジョンが無い施主さんもおられるので、こちらから「このくらいの広さが住みやすいのでは?」「ここなら通勤に便利なのでは?」とまさに施主さんに寄り添って探してゆきます。
施主さんにぴったりの家が見つかるまで、たくさんの物件情報に目を通して、何度もラフプランを考えて、「これはどう?」「こんな風に暮らすのはどう?」と夢を語ります。この話し合いの中から、ご家族の好みや事情、大切にしたいことなどが徐々に分かってきます。
物件情報とラフプランで良さそうならば、詳しい資料を取り寄せたり、実際に物件を見に行ったりします。
資金と同じくらい大切な補助金
施主さんの大切な資金を、上手に活用して満足のいく家にするため、補助金も重要なポイントになります。空き家補助金や耐震補助金、エコハウス補助金、断熱補助金など、この物件では220万もの補助金を得ることができました。
施主さんにとっては自己資金以上の予算で丈夫で快適な家に住めることになり、工事する私たちも、補助金に見合った基準の施工をすることができ、良いこと尽くしです。
補助金については勉強会やセミナーを開催していますので、リノベーションをしようと思ってる方は、損をしないためにも話だけでも聞くことを強くお勧めしています。
ビールが飲めるウッドデッキ
仕事に家事に育児に、頑張っておられる施主さんが、ほっとひと息付ける場所を…。ダイニングキッチンから出られるウッドデッキは、周りからの視線を気にすることなくくつろげる、そんな空間です。既存の屋根付き車庫を撤去することで、家の中に光も風も通り、くつろぎスペースも生まれました。この家は、外壁塗装のリフォームをしたばかりだったので、外にお金をかけなくて良かったので、その分他に予算が回せたのです。
新しいものと古いものを共存させ
リノベーションをする時、古いものを活かすことをいつも考えます。全部新しくしてしまったら新築と同じ。縁があって住むことになった家の面影をどこかに残すことで、家も喜んでいるように感じます。この家の階段室はそんな懐かしい雰囲気があります。きれいに掃除してクロスを張り替えると、室内の象徴的なポイントになりました。
家全体を落ち着いた雰囲気にしてくれる。南洋材の個性的な床板は、直接買付でものすごく安く手に入れることが出来ました。予算は少なくても本物の材料を使うことで、インテリアのグレードは一気に上がります。
軽やかな玄関扉は光を呼ぶ
玄関は家のなかでも大切な要素です。「見え隠れの家」は、母娘2人のちいさいお家。大きすぎる扉より、軽やかなテラス扉を選びました。フロスト硝子で視線は遮りつつも光を感じさせてくれるので、朝日を感じながら出かけられ、帰宅した時は家の光の暖かさを感じられます。
硝子の玄関扉にカッティングシートで入れたのは、意匠化した表札です。
まさかが家を持つことが出来るとは思っていなかった、と施主さん。限られた予算のなかで、娘さんのために、資産になるものを…との思いから始まった家づくり。補助金をフル活用することで、しっかり補強し耐震や断熱も充分なので、これから先もずっと住み続けられる家になりました。