風が抜けるマンションの一室

親族から譲られたマンションをリノベ

ご主人の叔父様が住み替えされるため、譲り受けたマンションをリノベーションして住みたいと考えられた若いご夫婦からのご相談。他の業者にお願いしようとしたところ、水回りの位置を自分たちの好みの場所に変えられないと断られたそう。
そういうお話はよく聞きますが、実は位置は自由に変えることが出来るんです。
都心部では当たり前のマンションリノベーションですが、岡山ではまだまだ認知度は低いのです。マンションリノベはメリットがたくさんあります。部屋の暑さ寒さをあまり感じない、部屋の外は触れないことで、逆に室内にお金をかけることが出来るなど。また、リノベーションしたマンションは、住み替えの時にも売りやすい、という試算価値としての側面もあります。

解体後のマンション。ここから自由にリノベーション!

奥様のこだわりはキッチンと水回り

奥様が必ず一日3回以上は過ごす場所がキッチン。お料理にもこだわる奥様にとって大切な場所です。大容量のBOSHの食洗器を組み込んだオリジナルのキッチンは、掃除のときにルンバが通れるように床から12cmの高さを開けられています。
L型キッチンの収納はダイニング側からも取り出せるので死角がありません。キッチンといえばシステムキッチンをショールームに見に行くと思われがちですが、実際にはオーダーメイドで作ったほうが自由度も高くリーズナブルなんです。
余分な機能を無くして自分たちに必要なものにお金をかける、リノベーションの良さが発揮できるのがキッチンとも言えます。

キッチン収納はスケルトン。床から12cmがルンバの領域

IHコンロの壁に付いた蛇口は?

このキッチンでユニークなのが、コンロ横の壁から飛び出した業務用蛇口。大きな寸胴鍋で煮込みなどをするとき、鍋を持ってシンクまで行かなくても良い、という料理好きならではの発想です。下にシンクも排水もないので、出し忘れに注意ですが・・・。キッチンの位置もシンクの位置も、奥様の要望を叶える自由設計です。
キッチンの床だけは汚れがつきにくく目立ちにくい素材に。一つひとつがキッチンヘビーユーザーの目線で選ばれていますよね。

淡いタイルの壁と黒い床のコントラスト

収納の少なさをカバーする壁面

きちんとリノベーションすれば済みやすいマンション物件ですが、収納が少ないのがデメリット。リビングダイニングと寝室を隔てる壁面は、天井近くまでたっぷり収納できる造り付けの棚に。全体が統一されたデザインですっきりするので、飾り棚にするもよし、食器棚や本棚など、用途に応じて使い分けができます。押入れ収納が無いので、こんなに必要かな?と思っても、趣味のもの本など、いつの間にか増えていくもの。最初にたっぷりとした収納を準備することをお勧めします。

リビングダイニングの収納

寝室と子供部屋をつなぐ窓

マンションのほとんどは外壁に面した片側にベランダのある掃き出し窓、通路側に面した片側に玄関扉と小さな窓がる、という造りになっています。小さな窓は浴室や個室などにあるため、玄関扉と掃き出し窓の両方を開けてはじめて風が通るようになります。「風が抜けるマンションの一室」では、出来るだけ大きくつながった空間にして風の通り道を作っています。また、寝室と子ども部屋を隔てる壁の上部に窓を作り、外の明るさや家族の気配を感じることが出来ます。

明るさと気配を感じる小さな窓

内装の色決めはルールを決めて

マンションのリノベーションで施主様がとにかく悩まれるのが内装の仕上材の色ではないでしょうか。この「風が通るマンションの一室」の場合はほとんど奥様が決定されました。マンション場合、戸建てのリノベーション以上に全体の統一感がイメージを左右します。
ベースカラーとアクセントカラー(トーン)を決める、木部の色や素材感を揃える、などルールを決めると統一感が出やすいです。でも一番大切なのは、その色の中で自分たちが心からくつろげるかどうか?ですよね。

キッチンのタイル。淡い色のと質感が優しい

扉を開ければ自分たちの世界

マンションのドアはリノベーションすることが出来ません。
でも、その扉の中には自分たちの「好き」と「こだわり」がいっぱいに詰まった、自分たちだけのための世界が広がっています。

ベランダ側から見たリビングダイニングとキッチン
施主様の声

  譲り受けたマンションを、別の施工業者さんにリノベーションしてもらう予定でしたが、間取りやキッチンの位置は変えられない!と言われて大ショック…。全部壊して好きな間取りにできますよ、と言われて思う存分フルリノベした、自慢の我が家です。

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Floor plan

設計/SITUS