
【中古住宅リノベ】
物件探しで絶対後悔しないための鉄則!
不動産購入の前に知るべきこと
近年、「中古住宅を買って、自分好みにリノベーションする」という家づくりが人気を集めています。新築よりも費用を抑えやすく、自分たちのライフスタイルにぴったりの住まいを実現できるのが大きな魅力です。
しかし、その一方で「物件探しで失敗し、理想のリノベーションができなかった」「予算が大幅にオーバーしてしまった」といった後悔の声も多く聞かれます。
なぜなら、中古リノベーションでは、物件探しとリノベーション計画を別々に進めてはいけないからです。
この記事では、中古リノベで後悔しないために、物件購入の前に知っておくべき「正しい検討手順」と「専門家の選び方」を解説します。
【要注意】なぜ不動産会社にリノベの相談をしてはいけないのか
多くの方が、物件探しからリフォーム・リノベーションの相談まで、不動産会社に一任しようとします。しかし、ここに中古リノベ失敗の大きな落とし穴があります。
不動産会社の役割は「売買」であり、「建築」ではない
大前提として、不動産会社の専門は「不動産を売買すること」であり、「建築やリノベーションの設計・施工」ではありません。
「うちもリフォームをやっていますよ」という不動産会社もありますが、その多くは水回り設備の入れ替えや壁紙の張り替えといった部分的な修繕(リフォーム)が中心です。
建物の構造を理解し、耐震性や断熱性を向上させるような、大規模なリノベーションのプランニングや技術的な判断は、建築のプロである私たち建築会社・工務店の専門分野なのです。

不動産会社は「高い物件」「すぐ住める物件」を売りたがる構造
不動産会社の主な報酬は、物件の売買価格に対する手数料です。当然、価格が高い物件ほど、会社の利益も大きくなります。
そのため、不動産会社は「リフォームや工事をしなくても、すぐに住める状態」の比較的高額な物件を勧める傾向があります。
しかし、リノベーションで自分らしい家づくりを目指すのであれば、物件価格を抑え、その分をリノベーション費用にしっかり充てた方が、より理想の住まいに近づくことができます。
成功に導く!リノベーションを前提とした物件探しの「正しい手順」
では、中古リノベーションを成功させるためには、どのような手順を踏むべきでしょうか。
【鉄則】リノベの専門家と「一緒に」不動産を探しに行く
最も重要なのは、不動産を見に行く段階から「リノベーションのプロ」を同行させることです。
一般の方が古い物件を見ても、「汚い」「暗い」「住めない」といった印象しか持てず、その物件の持つ「可能性」を想像できません。結果的に、リノベ費用をあまりかけられない、「すぐに住めるけど自由度が低い」物件を選んでしまいがちです。
建築のプロが同行すれば、物件の構造、配管、日当たりなどを確認し、その場で「ここをこうすれば、理想のリビングになります」「ここに窓を取れば、庭の景色が見えます」といった具体的な完成イメージと技術的な判断が可能になります。

プランと総予算を「購入前」に確定させる
リノベーションは「物件価格」と「工事費」のバランスが命です。
物件が気に入ったとしても、契約書にサインをする前に、リノベーションの専門家に依頼して以下の情報を必ず出してもらいましょう。
- 実現したい内容に基づいたリノベーションプラン
- そのプランにかかる概算工事費用
そして、「物件価格+工事費用=総予算」を算出し、予算内で収まるか、また新築と比較して納得できるかを検討した上で、初めて購入を決定します。この「計画」の段階こそが、家づくりで最も重要になります。
中古住宅改修の基礎知識:「リフォーム」と「リノベーション」の違い
中古住宅の改修を考える際、「リフォーム」と「リノベーション」の言葉の違いを明確にしておく必要があります。
リフォーム:前の住人の生活スタイルに合わせた「修繕・改修」
リフォームは、老朽化した設備を新しいものに交換したり、傷んだ箇所を修理したりする「原状回復」や「部分修繕」の意味合いが強いです。
基本的に、以前の住人が暮らしていた間取りや生活スタイルを大きく変えることはありません。
リノベーション:自分たちの生活スタイルに合わせた「再生・創造」
リノベーションは、建物の骨組みだけを残す「スケルトン工事」を伴うことが多く、間取り、内装、設備、全てを自由に設計し直します。
さらに、スケルトンにすることで、耐震性の強化や、断熱材の入れ替えなど、現在の水準に合わせた住宅性能の向上も同時に行うことが可能になります。これは、自分たちの暮らしをゼロから作り上げる「再生」のプロセスです。


中古リノベの物件選びは「価格」と「築年数」だけで決めてはいけない
「安ければ安いほどいい」「できるだけ築年数が新しい方がいい」という単純な基準だけで物件を選んでしまうと、後悔の原因になりかねません。
「安い物件」が良いとは限らない
極端に安い物件は、リノベーションを前提とするなら、逆に好都合な場合もあります。なぜなら、その分をリノベーション費用に回せるからです。
しかし、その物件が耐震補強や断熱工事などで補助金の対象になるか、あるいは法律上の規制など、築年数や地域特有の条件も絡んできます。価格だけでなく、「その建物をどう活用できるか」という視点が不可欠です。
築年数が古くても「性能向上」は可能
築60年や70年の家でも、「リノベーション」によって、現在の新築住宅に負けない高性能な住まいに生まれ変わらせることは可能です。重要なのは、スケルトン工事を行うことで、古い断熱材や筋交いを現代の高性能なものに入れ替え、耐震・断熱・気密性を飛躍的に向上させることです。表面的なリフォームでは到達できないレベルの快適性を実現できます。

まとめ:家づくりは「計画が8割」。後悔のないリノベは専門家選びから
中古住宅リノベーションの失敗例で最も多いのは、リノベの計画なしに物件を決めてしまうことです。
人生を左右する大きな買い物だからこそ、建築のプロである私たちは、「計画」にこそ時間をかけるべきだと考えています。計画が8割、工事が2割と言っても過言ではありません。
私どもでは、お客様のライフスタイルをヒアリングするところから始め、お客様の理想を実現できる不動産探し、そして具体的なプランニングまでを一貫してサポートいたします。
後悔のない、最高の住まいを実現するためにも、まずは私たちリノベーションの専門家にご相談ください。

本コラムは、弊社YouTubeチャンネルで最も再生されている人気動画「中古住宅を買ってリノベしたい人へ|物件探しで後悔しないために」『リノベ向き物件の条件』の内容を基に構成しています。
動画では、一級建築士である小橋工務店社長がより熱量を持って解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。
Re:NOVOでは、物件から一緒に探す中古住宅リノベーションをしています。
一般には公開されていない物件情報などもあります。
まずは一度ご相談ください。